留学中のトラブルで一番多いのはホームステイに関する内容。現実をしっかり把握してから留学をしないと、思い描いていた留学と、実際の留学のギャップで不満が爆発してしまうこともあります。
そこで、今回はホームステイについての注意点や流れををまとめみました!
ホームステイとは?
留学生を受け入れている一般家庭に滞在して、一緒に生活をするのがホームステイです。ホームステイは、申込みをした学校が手配をするか、あるいはその学校が紹介をするホームステイ手配会社が手配をするのが一般的。
ホームステイ滞在費を支払うことで、ホストファミリーが部屋と食事を提供する形となっているため、ホームステイはファミリの収入源ともなっており、ある意味、ホームステイはビジネスといえます。
ホームステイをするときは、その家庭の生活様式を理解し、尊重することが大切です。自分自身の家に外国の学生を迎えたときのことを想定し、自分とホストファミリーの双方が相互に理解し、快適に暮らせるように努力する必要があります。
積極的に行動し、わからないことは遠慮せずに質問したりするなど、家庭の雰囲気に早く溶け込むように努力してください。コミュニケーションが一番大切です。
語学力が不足しているからと躊躇しないで、身振り手振りでも構わないから積極的に交流することが重要です。ホームステイのトラブルは、ほとんどが誤解に基づくものです。ホテルに滞在しているわけではないので、必ずしも快適な生活となるわけではありません。生活習慣の違いや価値観の違いなど、不都合なことに直面することもあります。
とはいえ、外国人と生活を共にすることで、生きた英語を学んだり、異なる習慣や文化を理解することができるようになるなど、国際性が身につきます。これは普通の海外旅行ではできないすばらしい体験です。
ホストファミリーについて
留学生を受け入れる目的は、子どもの教育の一環として外国人に触れる機会を与えたいという家庭、退職をして時間に余裕ができたので海外からの生徒と交流をしたいという家庭など様々なものがあります。
そのため、週末を一緒に過ごそうとしてくれる家庭があったり、お互いに必要以上に干渉はせずにドライな関係を続ける家庭があったりと、それぞれです。
また、家族構成もさまざまです。外国では離婚率が高く、片親の家庭も多くあります。また、共稼ぎで、子供は学校や保育園に通っている家庭もあります。子供がいない家庭や、子供が独立し、夫婦だけの家庭もあります。
3世代で暮らしている家庭もあれば、一人暮らしの方の家にホームステイすることもあります。このようないろいろな家庭環境の「ファミリー」があなたをお迎えします。
さらに、~系アメリカ人、~系カナダ人といったように、他国からの移民がホストファミリーになることもあります。このため、家庭内では英語以外にも他の言語が話されている場合もあります。
とはいっても、ホームステイの手配を依頼するときに人種や家族構成を指定しまうと、差別とみなされてしまいます。移民の多い国では、どんなバックグランドの人でも、その国の住人として生活していることを理解しておきましょう。
また、どんなに良い人でも習慣や考え方の違いによるトラブルは避けられません。できるだけトラブルを大きくせず、円滑に対処するように努力しましょう。
忘れていけないことは、ホームステイに滞在する学生はホームステイファミリーにとってお客様ではないということです。ゲストのようにおもてなしをしてくれるとか、週末もどこかにつれていってくれるといった過剰な期待をしたり、特別な扱いを要求しないようにしましょう。
ファミリー宅に到着したら
自己紹介や挨拶が終わったら、ホームステイのルールを必ず確認してください。ホームステイのルールは、その家庭によって異なります。
例えば、夕食は何時なのか、夕食がいらなくなった場合は何時までに連絡しないといけないか、夜遅くなるときには何時までに連絡しないといけないか、門限は何時か、シャワーは何時に使えばいいのか、洗濯はどうすればいいのか・・・といった内容です。
わからないことがあったら、英語ができないからと恥ずかしがらずに質問しましょう。わからないままにしておくと、後でトラブルの原因になることもあります。
一段落したら、学校への通学方法も教えてもらいましょう。実際に、最寄りのバスの停留所や駅に行き、時刻表や乗車方向などを実際に確認しておきましょう。
ホームステイでの暮らし
部屋
使用する部屋にはベッド、机、クローゼットなどが付いています。机などが部屋にない場合は、どこを使用すればよいか尋ねましょう。自分の部屋は、自分で整理整頓します。
また、朝、部屋を出るときは必ずベッドメーキングをしましょう。
多くの場合、個室を与えられますが、他の留学生やファミリーの子供との相部屋の場合もあります。このようなときは、掃除の分担、起床・就寝の時刻などを話し合ってください。
食事
食事付きの場合でも、家庭状況によっては、自分である程度つくらなければならないこともありますし、ファミリーと一緒に食事を取れない場合もあります。特に朝はどこの家庭でも忙しいので、朝は自分で食べていくという場合がほとんどです。
セルフサービスの場合は、どの材料を使ったらいいのか、ファミリーに尋ねます。食事が終わったら、自分の食べたものは台所まで運び、できるだけ後片付けの手伝いをしましょう。
ホームステイの不満の原因として常に上位にくるのが食事の内容です。日本と比べて、どこの国でも食事は一般的に質素です。朝はパン、シリアル、ミルク程度、夕食のメニューもパスタやポテトが多かったりと限られていることが多いです。
中には、ホストマザーが働いているという理由で冷凍食品が多かったり、前の日の残り物が出てくることもあります。これは、ホームステイで学生を受け入れたからといって、ごちそうを出すということはなく、自分たちがいつも食べているのと同じものを同じように提供するためです。口に合わないものは、無理して食べずに、素直に伝えましょう。遠慮は禁物です。
どうしても足りない場合は、自分で好きなものを買って、ファミリーに断ってから、冷蔵庫にいれておくのも良いでしょう。ベッドルームに食べ物を持ち込まないでほしいという家も多いので、注意しましょう。
また、日本の料理を作り、ファミリーにごちそうするのも喜ばれます。あらかじめファミリーに好きなものや食べられないものを尋ね、日時の都合などを聞いて用意しましょう。
洗濯
洗濯は、ホストマザーが家族のものと一緒にやってくれる家、自分の分は自分でやらないといけない家など、家庭によって異なります。
アパート・マンションタイプの家の場合には、施設内や外のコインランドリーを使用することもあります。いずれにせよ、自分でやる場合は、曜日や時間を相談し、毎日するのではなく、週に1~2回まとめてやりましょう。また、干す場所なども確認します。
場所によっては、街の美観を守るため、外に洗濯物を干すことが禁止されているところもあります。このような場合は、乾燥機がありますが、パワーが強く、デリケートな服は傷んでしまうことがありますので気を付けてください。
バス・シャワー・トイレ
石鹸やシャンプーなど、個人的に使用するものは、自分で用意します。また、バスルームが専用で使えるような場合、トイレットペーパーも自分で購入してください。
バスタブにはお湯をためずに、なるべくシャワーで済ませましょう。バスタブがないこともあります。通常、ファミリーと共同で使用するため、使用後は壁の水滴をふき取るなど、簡単に掃除をしておきましょう。
また、タンクにお湯をためて使用するシステムのところが多く、長時間シャワーを浴びると、次の人が使っている途中でお湯がなくなってしまうこともあります。このため、日本とは異なり、シャワーの時間は10~15分というところが通常です。また、国によっては、水不足のため一回のシャワーは5分以内と決められる場合もあります。
バスルームのドアは、使用中は閉め、使用後は開けておきます。シャワーの時間帯は家族と相談して決め、また、夜は何時まで使用できるか確認しておきましょう。
また、海外のトイレは日本よりも配管が狭いことが多いです。このため、日本のトイレのつもりでトイレットペーパーを使うと詰まってしまうことがありますので、注意が必要です。
電話
電話を使用するときは、その都度、ファミリーに断ってから使いましょう。市内通話は無料というところが多いですが、必ずホストファミリーに確認しましょう。
市外通話や国際電話の場合、コーリングカードを利用し、ホストファミリーに負担がかからないようにします。
また、長電話は禁物です。夜10時以降の電話も遠慮しましょう。
インターネット
インターネットについては、ホームステイ側で提供の義務はありません。
このため、制限なく利用できる場合、利用できるけれども使用料金をホストファミリーに別途支払う必要がある場合、利用できない場合と、そのご家庭のインターネットの利用状況によって、使用可否は異なります。
利用できない場合、学校や公共施設などでのWifiを利用するか、現地でプリペイドのポケットWifiなどを購入して利用する方が多いようです。
たばこ
一般的に、喫煙を禁止している家庭が多いようです。申込書の喫煙に関する質問の欄に「Yes」と記載した人でも、ホームステイ先ではどこでもいつでも喫煙していいというわけではありません。
家の外でのみOKという家庭もあります。また、自室での喫煙を禁止しているところもあります。たばこを吸ってもいい場所は確認し、吸うときは必ず断るようにしましょう。
宿泊費以外の支払い
一緒に外出して買い物をした場合、自分の分は自分で支払ってください。一緒に映画・テーマパーク・コンサートなどに行った場合の費用も、自分が払います。
夕食が含まれているホームステイの場合でも、外食時の夕食代は自分で支払うようにしましょう。もし、ファミリーが負担してくれたときは感謝の言葉を忘れないようにしましょう。
外出時の連絡
外出するときは、ファミリーに心配をかけないよう、行き先と帰宅時間を告げましょう。また遅くなるときや外泊するときも、必ず連絡しましょう。
無断で遅く帰ったりすると、大騒ぎになることもあります。特別でない限り、夜の外出は避け、なるべく夕食には遅れないようにしましょう。
夕食の時間に間に合わず、夜遅くの帰宅となった場合、夕食が不要だと思われ、夕食の用意がない場合もあります。帰宅が遅くなっても夕食が必要な場合は、その旨をはっきりとファミリーに伝えましょう
友達を招くとき
前もって、ファミリーの許可を得ておきましょう。
友達は紹介し、日本人同士でも英語で会話しましょう。また、食事の時間に招くことは控えましょう。
気を付けること
自分のことは自分で
自室の掃除など、最低限のことはやりましょう。また、食事の支度、後片付けなども進んで手伝いましょう。
プライバシーの尊重
夫婦が再婚だったり、子供が実子でなかったりと様々な家庭があります。だからといってそれを口外したり、問題に立ち入らないようにしましょう。
ファミリーの宗教を尊重
宗教によっては、宗教儀式が生活の一部になっていることもあります。
一緒に儀式に参加したり、教会に行ったりする必要はありませんが、宗教に関わる生活を尊重し、邪魔をしないようにしましょう。
自室に閉じこもらないように
個室を与えられた場合でも、自室に閉じこもらず、ファミリーとの団欒を大切にしましょう。自室にいても、状況が許せば、扉を開け放しておくなど、家族との接触を大切にしましょう。
また、近所の人達と会ったら、積極的に挨拶しましょう。無視したり、目をそらすと、不快感を与えることになります。
快適に暮らすためのヒント
日本からのお土産
お土産を渡すのは必須ではありませんが、ちょっとしたお土産はやはり喜ばれます。高価なものは必要ありません。気持ちが通じるものであれば十分です。手作りの物も喜ばれるでしょう。
中には、日本の学生さんを多く受け入れているので、日本のものをいろいろと持っているホストファミリーもいます。逆に、日本人の学生さんは初めてというところもあります。
例としては、きれいな缶の箱に入ったクッキーやチョコなどの詰め合わせ、英語で説明してある日本の料理の本や日本の写真集などが良いかもしれません。
ファミリーとの会話
話すことがなくて困ったという人がいますが、自分や身の回りのことなら何でもOKです。たとえば、趣味、自分の家族のこと、友人、学校、住んでいる街のこと、暮らしぶり。なんでもいいのです。
自分や家族の写真が入ったミニアルバムを持っていくのも一案です。写真を見せていろいろと説明すれば、語学力の不足も補え、会話もはずむようになるでしょう。
日本に興味を持っているホストファミリーもいて、日本についていろいろと質問されることもあるでしょう。ただ、日本人であっても、日本の社会や文化についてわからないことは沢山あります。事前に調べ、英語で説明できるように準備しておくと、ホストファミリーとの交流もますます深くなります。
また、「おはよう」「おやすみ」「ありがとう」などの挨拶は必ずしましょう。何かをお願いするときは「Please」を忘れずに。
手伝い
食事の支度、テーブル セッティング、後片付けなど、各家庭のやり方を学んで、進んで手伝いをしましょう。一緒に手伝えば、ファミリーとの会話の機会も増えます。また、宿題等で余裕がないときは、「今日はできないの。ごめんなさい・・・」とちゃんと説明しましょう。
逆に、ホストマザーによっては、食事の後片付けの手伝いはしなくてもいいと言われることもあります。このような場合は、何度も「手伝います。」と言うのではなく、素直にその言葉にしたがいましょう。
帰国後のお礼状
電話で無事に到着したことを知らせ、改めて手紙で感謝の気持ちを伝えましょう。折に触れて、手紙を書いたり、クリスマスカードを送ったり、長く関係を持ち続けるようにしましょう。