この記事では、これから留学でアメリカに行く人が知っておくべき基本情報とトラブルのときの対処法などをまとめています。
日本とアメリカとでは様々なことが異なるので、自分が当たり前だと思ってたことが通用しないかもしれません。
ぜひ出発する前などにこの記事に載っている基本的な事柄などをおさえて、準備万端の状態で留学を楽しみましょう!
アメリカの基本情報
時差について
アメリカは広大な国であるため、本土だけでも4つの時間帯を使用しているほかに、アラスカ州とハワイ州での時間帯があります。
- 東部標準時間(ニューヨーク、ワシントン、ボストンなど):日本と比べて-14時間
- 中部標準時間(シカゴ、ヒューストン、セントルイスなど):日本と比べて-15時間
- 山岳部標準時間(デンバー、エルパソなど):日本と比べて-16時間
- 太平洋標準時間(ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルなど):日本と比べて-17時間
- アラスカ標準時間(アラスカ州):日本と比べて-18時間
- ハワイ・アリューシャン標準時間(ハワイ州):日本と比べて-18時間
また、アメリカではサマータイム(Daylight Saving Time)と呼ばれる夏時間を採用しています。ただし、アリゾナ州の大部分やハワイ州など、一部の州や地域では採用していない場合もありますので注意してください。
サマータイムの期間は、例年3月~11月頃までで、開始日の夜中の2時に時計を1時間進めて3時になり、終了日の夜中の2時に1時間遅らせて1時に戻ります。このため期間中は日本との時差は1時間少なくなります。
気候について
アメリカは地域によって気候が大きく異なります。北部と南部で違うだけではなく、同じ緯度でも東海岸、中央部、西海岸では気候が全く違います。
また、気温は摂氏(℃)ではなく華氏(°F)で表示しますので、おおよその比較を覚えておくといいかもしれません。
摂氏 | 5℃ | 10℃ | 15℃ | 20℃ | 25℃ | 30℃ | 35℃ |
華氏 | 41°F | 50°F | 59°F | 68°F | 77°F | 86°F | 95°F |
通貨について
通貨は10進法で、1ドルは100セントで、単位はUSドルです。
通貨の種類は基本的に、紙幣が1ドル、5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドルの6種類、硬貨は1セント、5セント、10セント、25セントの4種類があります。
1セントは「ペニー」、5セントは「ニッケル」、10セントは「ダイム」、25セントは「クォーター」と呼ばれています。日常生活において、25セント「クォーター」を使用することが非常に多いです。
例えば、寮やアパート、街中にあるコインランドリーの機械に入る硬貨は25セントのみです。また、地下鉄やバス、公衆電話を利用する方は25セントを持っていると便利です。
電気について
アメリカの電源プラグの形状は、Aタイプで日本と同じタイプになりますので、変換フラグは必要ありません。
また、電圧は110-120Vと、日本より若干高い程度なので、多くの場合、変圧器は不要ですが、長時間の使用により器具が熱を持つような場合は変圧器があると安心です。
最近のノートパソコン、携帯電話、デジカメの充電器のほとんどは、240Vまで対応しているので変圧器は必要ありません。念のため、電源アダプターに「AC100V~240V 」と表示されているかどうか確認してください。
銀行について
州や地域によって主要銀行が異なり、銀行によってSSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)がなければ銀行口座を開設することができない銀行と、SSNがなくても開設することができる銀行があります。
学校の担当者の方などに、どのような銀行があるかを確認してみましょう。また、営業時間も、曜日によって異なりますので、注意してください。
主な口座の種類は、当座預金口座「Checking Account」と普通預金口座「Savings Account」となります。
当座預金口座「Checking Account」は「小切手(Personal Check)」などが使える口座で、日常生活で引き出したりするのに使います。日本と異なり、アメリカでは個人でも「小切手(Personal Check)」をよく利用します。スーパーやモールでの買い物、家賃や公共料金の支払いにも小切手を利用します。
一方、普通預金口座「Savings Account」の方はATMで引き出したり使うのではなく、実際に貯蓄するための口座となります。「Checking Account」では利子はつきませんが、「Savings Account」は変動金利で利子がつきます。ただし「Savings Account」から「Checking Account」へ資金を移動する回数や手数料など、細かな規則があります。
このため、当座預金と普通預金となると、普通預金の方をつくればいいかなと勘違いしやすいのですが、実際に留学生が開設するのは当座預金口座「Checking Account」の方になります。
銀行口座を開設したときに、「小切手(Personal Check)」やデビットカードを作ることができます。「小切手(Personal Check)」は、現金化する際に銀行側にIDの提示が必要なため、万が一盗難にあったり、紛失してしまったりしても、安全です。また、銀行のカードはデビットカードですので、買い物時に使うと、そのまま自分の口座から引き落としがされるので便利です。
郵便について
アメリカの郵便事業は、「UNITED STATES POSTAL SERVICE」という公社によって運営されています。
郵便局は平日に営業していますが、場所によっては土曜日も営業しています。営業時間は各店舗により異なります。ポストは青色で、街角でよく見かけます。
国際郵便は、配送にかかる日数によって、様々なサービスに分かれていますが、一般的に使われているのはFirst-Class Mail Internationalで、1週間程度で届くこともあります。
ちなみに料金は頻繁に見直しが行われているので、利用する前に必ず確認しておくようにしましょう。
絵葉書や封書には、赤字で「AIR MAIL」と記入しておきましょう。また、目立つように「JAPAN」と記入しておけば、住所は日本語で記入しても大丈夫です。
公衆電話のかけ方について
公衆電話は、空港、バス・ターミナル、ホテル、ショッピングモールなどに設置されています。一部クレジットカードが使える公衆電話もありますが、ほとんどの場合はコインが必要です。市内通話でも50セント以上の料金がかかるので、コインを十分に準備しておきましょう。現地の生活に慣れてきたら、コンビ二やスーパーマーケットでコーリングカードを購入して電話をすることも可能です。
受話器をあげて「プー」という音が聞こえるかどうかを確認してください。聞こえればそのままダイヤルできますが、聞こえなければ先にコインを投入する必要があります。
フリーダイヤルの電話にかける場合
800や888などで始まる着信者払いの電話、いわゆるトールフリーダイヤルに電話をかける場合にも、受話器をあげて「プー」という音が聞こえるかどうかを確認してください。
聞こえなければ先にコインを投入する必要がありますが、電話を切った後や回線がつながった瞬間にコインは戻ってきます。
コーリングカードで電話をかける場合
購入したコーリングカードの裏面にアクセス用の電話番号があります。また、カード裏面を削ると、暗証番号がでてきます。書かれてあるアクセス用の電話番号に電話し、ガイダンスに従って暗証番号を入力して、その後相手先電話番号を入力します。
ガイダンスはほとんどの場合は英語です。アクセス用の電話番号にはフリーダイヤルのものと市内通話のものがあります。
国際電話のかけ方について
アメリカから日本に国際電話をかける場合には、次のようにプッシュします。
(011)+(国番号81)+(0を取った市外局番)+(市内局番以降の電話番号)
(例)アメリカから日本の043-271-7486にかける場合
011 - 81 - 43 - 271 - 7486
日本からアメリカに国際電話をかける場合には、次のようにプッシュします。
(利用する電話会社の識別番号)+(010)+(国番号1)+(相手の電話番号)
(例)日本からアメリカの123-456-7890にかける場合
識別番号 - 010 - 1 - 123 - 456 - 7890
- 日本からアメリカに国際電話をかける場合、利用する電話会社の識別番号は次のようになっています。なお、利用する電話会社がマイラインまたはマイラインプラスの通話区分「国際通話」に登録されている場合はプッシュ不要です。
KDDI:001、NTTコミュニケーションズ:0033、ソフトバンク:0061 - アメリカの国番号は1、日本の国番号は81です。
現地の携帯電話について
プリペイド式の携帯電話もしくは月額で利用代金を支払う携帯電話を契約することができます。プリペイド式の携帯電話やカードは、電器店だけでなく、スーパーマーケットなどでも簡単に購入できます。
カードに書かれている番号をインプットすると、通話料がチャージできます。しかし、毎回料金をチャージする手間がかかりますし、通信料は高めです。
月額で支払いをする携帯電話の購入にはSSN(ソーシャルセキュリティナンバー)が必要となる場合が多いのですが、一部の携帯電話会社では、SSNを持たない留学生などでも購入できます。
携帯電話のショップはショッピングモールなどにありますが、まずは学校の事務所などで情報を確認してみるといいでしょう。また、アメリカの携帯電話は、電話を受信した側にも料金が課金されます。
トラブルのときの対処法
緊急電話について
警察(Police)、消防(Fire)、救急車(Ambulance)などの緊急コールはすべて「911」です。
公衆電話からでも無料でかけることができます。電話がつながればオペレーターに緊急の内容を伝え必要な部署とのコンタクトを取ってもらいます。
紛失や盗難に遭ったときについて
紛失や盗難にあったらすぐに警察に届け出る必要があります。家で泥棒に入られた時は、あわてないで電話で「911」をダイヤルし、警察を呼びます。
この際、家の物には手を触れないで、何を盗まれたかを把握しておくと捜査の助けになります。 外で物を盗まれた時は、最寄りの警察へ行って届出をします。警察では詳しい状況説明を求められます。
■ 警察を呼ぶ場合
ダイヤル「911」に公衆電話または自宅の電話から無料でかけることができます。消防、救急車の番号も兼ねていますので警察にまわしてもらうよう用件を伝えて、被害発生場所に来てもらいます。
■ クレジットカードやキャッシュカードを紛失した場合
カード発行会社や銀行に連絡してください。
■ パスポートを紛失した場合
パスポートを紛失した時はお近くの日本国大使館または日本国総領事館へ連絡してください。
医療サービスについて
アメリカの医療サービスは高い水準にありますが、医療費もかなり高額になります。また、救急車も有料です。出発前に海外旅行保険に必ず加入してください。
なお、学校で加入できる保険では、補償の対象が医療費に限られることが多く、日本の保険会社で加入する海外旅行保険のように、損害賠償の費用や盗難による損害などは補償されませんので、注意が必要です。
公共交通機関について
アメリカのほとんどの都市に公共交通機関があります。バスをはじめ、電車や地下鉄、路面電車やトロリーもあります。路線や時刻表、そして運賃などは現地で確認することになります。
しかし、インターネットで確認できる公共交通機関も多くありますので、出発前にご覧になっておよその検討をつけておくこともできます。
また、アメリカではストライキなどで公共交通機関が運休することもありますのでご注意ください。
アメリカ国内への食品の持ち込みについて
パンや特定の種類のチーズを米国に持込む事は可能です。アメリカ合衆国農務省動植物検疫局(APHIS)のウェブサイトでは、米国に入国する旅行者のために、食品およびその他の製品を米国に持ち込むことができるかどうかについて多くの情報が提供されています。
多くの調理済み食品は持ち込み可能です。しかしながら、肉製品のほとんど、ブイヨンやスープミックスなどは持ち込むことができません。
原則として、酢、油、シロップ、蜂蜜などの調味料は持ち込むことができます。お米は、害虫が寄生している可能性があるので、米国に持ち込むのは避けたほうがいいでしょう。