アメリカのコミュニティカレッジに進学をして、準学士号を取得したら、4年制の大学に編入したいという方も多いですね。
でもどんな科目を履修すればいいのだろう?どれくらいの成績をとれば大学に編入できるのだろう?と思っている方のために、履修科目や大学編入についてまとめてみました。
今回は、カリフォルニア州について取り上げます。
コミュニティカレッジではどんな科目を履修すればいいんですか?
では、まず、コミュニティカレッジから大学への編入するための仕組みについて簡単に説明しますね。
学士号を取得するには、一般教養と専攻前のクラスを2年間(1年目と2年目)、特定の専攻科目に焦点を当てたクラスを2年間(3年目と4年目)履修します。これは、コミュニティカレッジで学士号を取得する場合でも、大学で学士号を取得する場合でも同じです。コミュニティカレッジで始める場合、2年間の一般教養を学んだ後、準学士号を取得することになります。
2年間でコミュニティカレッジで準学士号を取得すると、大学に編入することになります。編入後は、自分が選んだ専攻科目に特化したコースを受講することになります。さらに2年間(3年目、4年目)勉強した後、学士号を取得することになります。
次に具体的な編入の制度ですが、カリフォルニア州のコミュニティカレッジには、Transfer Admission Guarantee(TAG)という制度とAssociate Degree for Transfer(ADT)という制度があります。TAGはUC系の大学、ADTはCSU系の大学に関連した編入制度です。
まずは、Transfer Admission Guarantee(TAG)から説明しますね。こちらは、カリフォルニア大学系(University of California:UC)の編入保証制度です。UCの10大学の内、UCバークレー、UCLA、UCサンディエゴ、UCサンフランシスコを除く、6大学でUC Transfer Admission Guarantee(TAG)を利用することができます。これは、カリフォルニア州にあるコミュニティカレッジで勉強をして成績条件をクリアした場合に、これらの6つのUC大学の指定の学部への編入が保証される制度です。
はい、カリフォルニア州であればどのコミカレでもOKです。カリフォルニア州以外のコミュニティカレッジの学生には適用されません。なので、UC系の大学に編入したいということであれば、カリフォルニア州にあるコミュニティカレッジで勉強するのがお勧めです。
TAGには細かい条件がありますが、簡単にまとめると以下の一覧のようになります。
TAGを利用して編入するには、既定の成績を取だけでなく、期日内にTAGの申請をすることも必要です。
詳しい条件は、UC Transfer Admission Guarantee (TAG) Matrixで確認してみてくださいね。
UC Davis | College of Agricultural and Environmental Sciences GPA 3.2 College of Biological Sciences GPA 3.2 College of Letters and Science GPA 3.2 College of Engineerring GPA 3.2 |
UC Irvine | GPA 3.4 |
UC Merced | School of Engineering GPA 3.0 School of Natural Science GPA 2.9 School of Social Sciences, Humanities and Arts GPA 2.8 (Psychology GPA 3.0) |
UC Riverside | College of Humanities, Arts and Social Sciences GPA 2.8-3.3 Marlan and Rosemary Bourns College of Engineering GPA 3.0-3.6 College of Natural and Agricultural Sciences GPA 2.8 School of Business GPA 2.8 Graduate School of Education GPA 2.8 School of Public Policy GPA 2.7 |
UC Santa Barbara | GPA 3.4 |
UC Santa Cruz | GPA 3.0 |
でも、UCLAやUCバークレーなどの4つのUCの大学には編入できないということですか?
次に、CSUについて教えてもらえますか?
はい、Cariforinia State University(CSU)系の大学ですね。
CSUの方は、Associate Degree for Transfer(ADT)という制度があります。ADTはAS-TまたはAA-Tとも呼ばれていますが、カリフォルニア州のコミュニティカレッジで提供される学位で、学生はカリフォルニア州内外の参加4年制大学への合格が保証されています。ADT制度を使うことで、CSUへの編入を優先してもらえます。ADTに対応していない準学士号がありますが、ADTの場合は編入のための準学士号という位置づけになります。尚、コミカレで自分が専攻した分野に類似した専攻で大学に編入することになり、自分でCSUのどの大学のどのプログラムに編入したいと指定することはできません。
ADTの方は、該当するプログラム、コミュニティカレッジ、大学の組み合わせが多いため、一覧がありません。
以下のページで、どのカレッジのどの専攻であれば、どの大学のどの学部に編入できるかを調べることができます。
CSUのAssociate Degree for Transfer Major & Campus 検索ページ
次に、どんな専攻でADTが取得できるのか、どんな科目を取ればいいのかを、ロサンゼルスのトーランスにあるEl Camino Collegeを例にして説明しますね。
エルカミノカレッジの場合、次のようなADTプログラムがあります。
Associate of Arts-Transfer(文系)
• Anthropology, AA-T
• Art History, AA-T
• Communication Studies, AA-T
• Economics, AA-T
• Elementary Teacher Education, AA-T
• English, AA-T
• Geography, AA-T
• History, AA-T
• Journalism, AA-T
• Philosophy, AA-T
• Physical Education: Kinesiology AA-T
• Political Science, AA-T
• Psychology, AA-T
• Sociology, AA-T
• Spanish, AA-T
• Studio Arts, AA-T
• Theatre Arts, AA-T
Associate of Science-Transfer(理系)
• Administration of Justice, AS-T
• Business Administration, AS-T
• Early Childhood Education, AS-T
• Geology, AS-T
• Mathematics, AS-T
• Physics, AS-T
以下の必須科目と選択科目を併せて全部で90単位を取得する必要があります。
Required Core(3単位) | |
COMS 100 – パブリックスピーキング | 3単位 |
List A(以下から6単位) | |
COMS 120 – 論証とディベート | 3単位 |
COMS 130 – 対人コミュニケーション | 3単位 |
COMS 140 – 小グループコミュニケーション | 3単位 |
List B(以下から6単位) | |
COMS 250 – 文学の口頭での説明 | 3単位 |
COMS 260 – 異文化コミュニケーション入門 | 3単位 |
COMS 265 – マスコミ | 3単位 |
List C(以下から3単位) | |
ANTH 2 – 文化人類学入門 | 3単位 |
ANTH 4 – 言語と文化 | 3単位 |
COMS 270 – 組織的コミュニケーション | 3単位 |
ENGL 1B/1BH – 文学と作文 | 3単位 |
PSYC 101 – 一般心理学 | 3単位 |
COCI 101 – 社会学入門 | 3単位 |
専攻分野の合計 | 18単位 |
単位移行可能な一般教養の科目から42単位を選択して履修 | 42単位 |
合計 | 60単位 |
カリフォルニア州は2学期制なので1年間で2学期受講することになります。平均すると1学期に5つのコースを履修します。
5コース(5x3単位)x2学期x2年=60単位ですね。
ADTで準学士号を取得するには、CSUに単位移行が可能な科目を合計60単位取得します。
その内、専攻に関する指定の科目が18単位、残りは一般教養科目で単位移行が可能な科目を選んで42単位を取得します。
成績は最低でも平均GPA 2.0が必要です。また、専攻に関する指定の科目の成績はすべてC以上の成績であることが必要です。
ASSISTというサイトがあり、ここでどの科目がどこに単位移行できるのかを調べることもできます。上記のコミュニケーション専攻の場合、例えば、COMS 260はUCへの移行も可能な科目になっています。
ただし、自分で調べていくには複雑なので、学期ごとにカレッジのアカデミック・カウンセラーにアポを取って、将来はどこの大学に編入したいのか、どんな専攻で勉強したいのかを伝えて、どの科目を履修すればいいのかを相談しながら、履修する科目を決めていくことになります。
大体のイメージがつかめました。ありがとうございました。