海外の大学やカレッジに留学して卒業したいけど、わからないことが沢山ありすぎて、どこから始めたらいいのはわからない・・・。そんな方のために、高校卒業後の海外進学のルート、海外の大学やカレッジに留学するメリット、留学にかかる費用、留学中のアルバイトや卒業後の就職など、海外進学をする前で知っておくべき情報をまとめてみました。
海外進学から現地就職までのルート
国によって教育制度は大きく異なります。このため、どの国に海外進学をするかで学位を取得するための方法や卒業後の就職の可否などが異なってきます。
アメリカ留学における卒業後の就職
アメリカの場合、専攻を決めなくても出願できたり、途中で専攻を変更したり、あるいは、別のカレッジや大学に転校したりといったことが比較的自由にできます。アメリカが進学先として人気がある理由としては、このような教育制度の柔軟性と多様性があります。また、OPT(Optional Practical Training)という制度があり、高等教育機関で9か月以上のコースを修了した場合、実務研修として1年間の就労が可能です。ただし、その後もアメリカ国内で就労したい場合には、就労ビザ(H-1)を取得する必要がありますが、就労ビザの取得はかなり難しくなっています。
高校卒業⇒(英語コース)⇒コミカレ⇒(OPTで1年間の就労)⇒帰国
高校卒業⇒(英語コース)⇒コミカレ⇒(OPTで1年間の就労)⇒大学編入⇒(OPTで1年間の就労)→帰国
高校卒業⇒(英語コース)⇒大学⇒(OPTで1年間の就労)→帰国
カナダ留学における卒業後の就職
カナダの教育制度はアメリカと似ていますが、出願前には専攻を決める必要があり、コミカレから大学への編入も西海岸では多くみられますが、東海岸の方ではそれほど多くありません。カナダの場合、公立の高等教育機関で2年以上のコースを修了した場合、雇用主が見つからなくても3年間の就労許可書(Post-Graduation Work Permit)を申請・取得することが可能です。このため、卒業後はその国でそのまま働いてみたいと思っている方にとって、カナダはおススメの留学先です。
高校卒業⇒コミカレ⇒(3年間の就労)⇒(永住権申請)⇒(帰国)
高校卒業⇒(英語コース)⇒コミカレ⇒大学編入⇒(3年間の就労)⇒(永住権申請)⇒(帰国)
高校卒業⇒(英語コース)⇒大学⇒(3年間の就労)⇒(永住権申請)⇒(帰国)
イギリス留学における卒業後の就職
イギリスの場合、日本の高校を卒業しただけでは、大学入学資格とはならないケースが多いです。このためファウンデーションと呼ばれる準備コースを1年間受講してから、大学に出願し、合格後に入学することが一般的です。また、語学学校で英語を勉強するための学生ビザと、大学などの高等機関で勉強するための学生ビザの種類が異なります。このため、英語力が不足している場合、他の国のように留学して英語を勉強してそのまま進学することはできません。語学学校のコースが修了したら、一旦日本に帰国して、進学する先の高等教育機関に出願して合格したら、再度、学生ビザ申請をしてから留学することになります。
高校卒業⇒(英語コース)⇒準備コース⇒大学(学士号取得)⇒(2年間の就労)⇒(帰国)
大学1年次修了⇒(英語コース)⇒準備コース⇒大学編入(学士号取得)⇒(2年間の就労)⇒(帰国)
オーストラリア留学における卒業後の就職
オーストラリアの場合、日本の高校の卒業後、ファウンデーションと呼ばれる準備コースの受講が必要になるかどうかは大学により異なります。また、TAFEと呼ばれる州立の高等職業訓練専門学校があり、TAFEから大学に編入したり、あるいはTAFEで学士号を取得するといったことが可能です。学士号を取得した場合、2年間の就労許可(Post Study Work Stream)を申請・取得することが可能です。
高校卒業⇒(英語コース)⇒TAFE⇒帰国
高校卒業⇒(英語コース)⇒TAFE⇒大学編入(学士号取得)⇒(2年間の就労)⇒(永住権申請)⇒(帰国)
高校卒業⇒(英語コース)⇒準備コース⇒大学(学士号取得)⇒(2年間の就労)⇒(永住権申請)⇒(帰国)
高校卒業⇒(英語コース)⇒大学(学士号取得)⇒(2年間の就労)⇒(永住権申請)⇒(帰国)
ニュージーランド留学における卒業後の就職
ニュージーランドの場合、日本の高校の卒業後、ファウンデーションと呼ばれる準備コースの受講が必要になるかどうかは大学により異なります。また、ポリテクニックと呼ばれる国立専門学校があり、ポリテクニックから大学に編入したり、あるいはポリテクニックで学士号を取得することも可能です。ニュージーランドで3年間就学して学士号(レベル7)を取得すれば、卒業後に3年間の就労ビザ(Post Study Work Visa)を申請・取得することが可能です。尚、学位レベルがレベル7未満のコースの場合、「Qualifications Eligible for a Post Study Work Visa list」を満たす分野で就学および就労すればPost Study Work Visaの対象となりますが、かなり限定された職種分野のみとなっています(2022年5月22日以降適用)。
高校卒業⇒(英語コース)⇒ポリテク(学士号取得)⇒(3年間の就労)⇒(永住権申請)⇒(帰国)
高校卒業⇒(英語コース)⇒準備コース⇒大学(学士号取得)⇒(3年間の就労)⇒(永住権申請)⇒(帰国)
高校卒業⇒(英語コース)⇒大学(学士号取得)⇒(3年間の就労)⇒(永住権申請)⇒(帰国)
海外進学のメリット
日本の企業が欲しいと思っている優秀な人材に求められるスキルは、「自分で考え行動ができる能力」と言われています。「自分で考え行動ができる」ようになるには、主体的な行動力、柔軟な思考、チャレンジ精神、リーダーシップ、コミュニケーション能力、チームワーク、困難を乗り越えようとする力が必要になってきます。グローバル化が進むビジネスモデルにおいて、企業が求める能力というのは、まさに海外の大学やカレッジに留学することで培われる能力と言えます。
本物の英語力を習得できる
語学留学でも英語力は身につくが、海外の大学やカレッジを卒業した場合は、仕事でもそのまま通用する本当の英語力が習得できる。
国際性と視野の広さが身につく
日本を外から見るだけでなく、日本と海外の報道の違いがわかるなど、物事を他局面から把握できる視野の広さと国際理解を深めることができる。
異文化への理解力が高まる
日本人としてのアイデンティティを見直し、日本人特有の考え方や習慣を再考する機会を得ることで、異文化に対しての理解力も高まる。
自立心と積極性が身につく
英語が通じない、日本の常識が通じないという環境の中、多くの困難を乗り越えようと努力することで、自立心と積極性を養うことができる。
コミュニケーション能力が高まる
英語で会話できるかということではなく、自分の意見を持って自己主張するとともに、相手の話をきちんと聞いて理解する力が向上する。
精神的に強くなる
留学中はトラブルを解決するために来たかと思うぐらい様々な壁を越えていかないといけない場面に遭遇するが、これらの壁を超える度に精神的に強くなっていくことができる。
グローバルな人脈が作れる
留学先の国の人だけでなく、世界中から留学してきている留学生と友達になることができ、将来の貴重な財産となるワールドワイドな人脈を作ることができる。
日本の企業が求める人材になる
日本企業が求める優秀な人材に必要となる能力やスキルのほとんどが海外留学をすることで培うことができる。
海外の大学やカレッジへの出願方法
海外の大学やカレッジの場合、日本のような入試試験はなく、書類審査により合否が決定されます。ただし、芸術や音楽などを専攻する場合、オーディションやポートフォリオの提出が必須になることもあります。一般的には、以下のような出願書類が求められます。尚、アメリカの場合は、英文の残高証明書が不可欠で、大学によってはSATスコアなどが必要になります。
- 学校所定の願書
- 英文の高校の成績証明書
- 英文の高校の卒業証明書
- 英文の大学の成績証明書(該当者)
- 英文の高校の卒業証明書(該当者)
- 英語のスコア
- 英文のエッセイ・志望動機書
- 英文の推薦状
また、出願から渡航準備までの基本的な手順は次のようになります。ただし、ビザ申請時に学費の支払い証明が必要になる国の場合、ビザ申請の前に学費の支払いを完了させることになります。
STEP 1 志望校を決定
STEP 2 学校に出願
STEP 3 合格通知を取得
STEP 4 ビザ申請・取得
STEP 5 学費の支払い
STEP 6 航空券・保険の手配
STEP 7 渡航
海外進学に必要な費用
海外の大学やカレッジの場合、日本の大学のような入学金はありません。また、出願料金もそれほど高くはありません。学校に支払う費用のほとんどが授業料であり、また、それ以外にかかる必要な費用は語学留学と同じです。このため、ここでは年間にかかる授業料に絞って比較してみました。
以下は1年間でかかる平均的な授業料です。受講するプログラムやコースによって授業料は異なりますので、あくまでも目安にしてください(2022年10月データ)。
大学 | コミュニティカレッジ・TAFE・ポリテクニック | |
アメリカ | 大学:US$20,000~$65,000 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA) $44,830 | コミカレ:US$8,000~$15,000 エルカミノカレッジ $8,208 |
カナダ | 大学:CAN$15,000~$60,000 トロント大学 $39,560~$60,150 | コミカレ:CAN$9,000~$15,000 カレッジオブロッキー $15,249 |
イギリス | 大学:£18,000~£45,000 オックスフォード大学 £28,950~£44,240 | ファウンデーション:£14,000~£28,000 INTOパスウェイ £14,415~£19,565 |
オーストラリア | 大学:AUS$45,000~$76,000 シドニー大学 $45,000~$58,500 | TAFE:AUS$9,000~$24,000 TAFE NSW $8,790~$23,000 |
ニュージーランド | 大学:NZ$33,000~$47,000 オークランド大学 $33,894~$46,752 | ポリテク:NZ$20,000~$26,000 Ara $21,495~$24,365 |
アルバイトと就職
大学やカレッジに留学する場合、気になるのが留学中にアルバイトができるのか、また、卒業後にそのまま現地で就労できるかどうか。国ごとにアルバイトや就労に関するビザのルールをまとめてみました。
アメリカ留学におけるバイトと就職
留学中のアルバイト | 大学やカレッジに留学した場合、キャンパス内の仕事に限り、週20時間までバイトをすることが可能 |
卒業後の就職 | 9ヶ月間以上のコースを修了していれば、実務研修という形で1年間の就労が可能(OPT:Optional Practical Training)。OPT後の就労ビザ(H1)は年間発給数が制限されているため取得困難 |
カナダ留学におけるバイトと就職
留学中のアルバイト | 大学やカレッジに留学した場合、週20時間までバイトをすることが可能 |
卒業後の就職 | 8ヶ月~2年間未満のコースを修了していればコース期間と同じ期間のみ、公立の高等教育機関の2年間以上のコースであれば3年間まで就労可能(Post-Graduation Work Permit) |
イギリス留学におけるバイトと就職
留学中のアルバイト | 学位レベルのコースを受講していれば週20時間までバイトをすることが可能 |
卒業後の就職 | 学士号を取得すれば2年間、博士号を取得すれば3年間の就労が可能(Post-Study Work Visa) |
オーストラリア留学におけるバイトと就職
留学中のアルバイト | 14日間で40時間までのバイトが可能 |
卒業後の就職 | 学士号を取得すれば2年間、修士号を取得すれば3年間、博士号を取得すれば4年間まで就労可能(Post Study Work Stream) |
ニュージーランド留学におけるバイトと就職
留学中のアルバイト | 週20時間までのバイトが可能 |
卒業後の就職 | レベル7(学士号)/レベル9(修士号)/レベル10(博士号)コースを修了すれば3年間の就労が可能。レベル8(ポストグラデュエート・ディプロマ)の場合は1年間の就労。レベル4~6のコースについては限定された専攻および職種のみ(Post-Study Work Visa) |
海外進学についてのよくある質問
海外の大学やカレッジへの進学に関するよくある質問をまとめてみました。
カナダの場合、大学もコミュニティカレッジでも、最低TOEFL 80/IETLS 6.5の英語力が必要です。有名大学の場合はTOEFL 100以上などと要件が高くなります。
イギリスのの場合、大学であればIETLS 6.0~6.5、大学進学予備コース(ファウンデーション)であればIETLS 5.0~5.5の英語力が必要です。
オーストラリアの場合、大学であればTOEFL 80~93/IELTS 6.0~6.5の英語力、TAFEであればTOEFL 69~71/IELTS 5.5~6.0の英語力が必要です。
ニュージーランドの場合、大学であればTOEFL 80~93/IELTS 6.0~6.5の英語力、ポリテクニックであればTOEFL 69~71/IELTS 5.5~6.0の英語力が必要です。
これは、大学に直接入学する場合、入学基準が厳しく、競争率も高いため、なかなか希望の大学に入れないことが多いこと、そして、コミュニティカレッジの学費は大学と比較して安いということが理由です。コミュニティカレッジから大学への編入は、英語が母国語ではない留学生にとって、非常に有効な海外進学の方法となっています。
また、コミカレでは、大学編入コースだけでなく、さまざまな職業訓練コースを提供しています。短期間のコースや、資格が取得できるコース、実習の含まれているコースなど、その種類は多彩です。大学を目指さない方にも、目的にあったコースを見つけることができるのがコミカレです。
英語力が足りなくても大丈夫。集中英語コースが用意されているため、まずは英語を集中的に勉強します。その後、カレッジのコースを受講できる英語力が身についてから、カレッジのクラスを履修することになります。